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津波浸水予測

津波対策について

  • 東京では、島しょ地域に大震災により津波が来襲するおそれがあります。
  • 東海地震により津波の被害が予測される地域としては、新島村、神津島村及び三宅村が指定されています。(大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)第三条第一項)
  • 東南海・南海地震により津波の被害が予測される地域としては、八丈町、小笠原村が指定されています。(東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成14年法律第92号)第三条第一項)
  • 津波が発生したときは、高台に避難するのが原則です。
  • 都は、港湾・海岸の護岸整備を行うことで、安全性を確保しております。
  • 津波対策のため、島しょ地域の津波浸水予測を調査を行いました。 (平成16年7月8日に「津波浸水予測調査報告書(伊豆諸島)」、平成17年2月16日に「津波浸水予測図(小笠原諸島)」作成・発表)
  • 都は、ハザードマップ基本図を作成し、島しょ町村を支援しています。
津波からの避難イラスト

津波浸水予測調査報告書(伊豆諸島)

1調査の目的
大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)第三条第一項の規定により新島村、神津島村及び三宅村が地震防災対策強化地域に指定されたことを契機に、伊豆諸島における津波浸水予測を調査し、津波浸水予測図を作成することにより、地域防災計画の見直しなど防災対策の充実・強化を図ることを目的として実施した。
2調査報告書の内容
  1. 過去の津波被災事例の整理
  2. 津波対策の現状整理
  3. 津波解析
  4. 津波浸水予測図
3津波浸水予測の概要
  1. 津波浸水予測図を作成した対象
    伊豆諸島(大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島)
  2. 想定した地震
    次の4つのケースの地震を想定し津波伝播・遡上シミュレーションを実施した。
    • 1)「想定東海地震」
    • 2)「想定東南海・南海地震」
    • 3)「想定東海地震と想定東南海・南海地震の連動」
    • 4)「想定関東地震」
  3. 計算範囲
    本州・四国・九州の太平洋以南〜北緯26.5度、東経131度〜142.5度
  4. 計算条件
    1,280mメッシュで計算を開始し、沿岸部の重要な部分では10mメッシュまで計算を実施した。
  5. 計算時間
    地震発生から12時間後まで
※島別の主な特徴は、「島別一覧」に記載

津波浸水予測のイメージ図(父島二見港地区)
津波浸水予測のイメージ図
(父島二見港地区)
4調査方法
学識経験者等で構成する津波浸水予測図作成検討会(座長:都司嘉宣 東京大学助教授)の助言を受けながら、調査委託により行った。
5今後の対応
都、関係町村及び関係防災機関は、本調査報告書における津波シミュレーションをふまえ、それぞれの防災計画、津波対策(ハザードマップの作成、避難誘導体制の整備)の充実・強化を図っていく。

津波浸水予測調査(伊豆諸島)島別一覧

想定する地震
[被害想定の表]
  傾向及び考察 CASE1 CASE2
CASE3
CASE4
大島
  • CASE4で最大水位。集落への浸水有り(岡田港、元町港、波浮港)
  • CASE4で水位変動開始時間も地震発生から3、4分後と非常に早い。
    <岡田港・泉津漁港>
    CASE4で、3、4分後に第1波(約3m)が到達し、岡田港背後の集落の浸水が予測される。
    <元町港>
    CASE4で、4分後に第1波(約2m)が到達し、局所的に標高12mまで津波が遡上する。
    <波浮港>
岡田 20.3分
0.71m
22.2分
0.81m
21.1分
0.92m
4.3分
3.38m
元町 17.8分
1.23m
14.5分
1.45m
14.5分
1.45m
4.1分
1.75m
波浮 21.4分
0.49m
21.6分
0.79m
17.9分
0.97m
7.6分
0.45m
泉津 22.2分
0.30m
22.6分
0.53m
20.8分
0.50m
3.2分
2.83m
利島
  • <利島港>
    CASE4で最大水位となり、局所的に標高14mまで津波が遡上する。
利島 11.7分
0.85m
14.9分
1.08m
14.1分
1.40m
11.5分
1.93m
新島
  • CASE3で最大水位。集落への浸水有り(新島港、若郷漁港)
    <新島港・若郷漁港>
    CASE3で、17、18分後に第1波(約3m)が到達し、両港背後の集落や本村の発電所も浸水が予測される。また、6時間後まで長時間水面の挙動が続く。
新島 13.2分
2.35m
14.2分
2.28m
13.5分
2.85m
16.3分
1.13m
若郷 14.6分
2.19m
15.3分
1.52m
13.5分
2.61m
17.4分
1.50m
式根島
  • CASE3で最大水位
  • 入り組んだ地形から、6時間後まで長時間水面の挙動が続き、局所的に遡上が大きくなることも予測される。
    <式根島港>
    CASE3で、2時間後に最大水位(約2m)となる。
    <野伏漁港>
    CASE3で、20分後に最大水位(約3m)となる。
式根島 13.1分
1.10m
12.0分
1.67m
11.7分
1.93m
11.5分
0.74m
野伏 14.1分
2.14m
14.7分
2.66m
14.0分
3.37m
7.6分
1.35m
神津島
  • CASE3で最大水位。集落への浸水有り(神津島港)
  • 入り組んだ地形から、6時間後まで長時間水面の挙動が続き、局所的に遡上が大きくなることも予測される。
    <神津島港>
    CASE3で、2時間後に最大水位(約3.5m)となる。また、津波が神津沢を伝い遡上し、周囲の人家や神津島港奥の発 電所も浸水範囲に含まれる。
神津島 10.1分
2.14m
11.5分
2.45m
10.7分
3.37m
9.5分
0.72m
三宅島
  • CASE3で最大水位
三池 22.3分
1.55m
16.5分
1.70m
16.7分
1.98m
17.1分
0.60m
大久保 23.2分
1.31m
16.5分
2.56m
12.8分
2.50m
17.9分
0.80m
伊ケ谷 22.3分
1.56m
13.9分
3.08m
13.9分
3.64m
8.4分
0.82m
阿古 19.6分
0.91m
11.9分
1.41m
12.0分
1.61m
20.7分
0.47m
坪田 20.5分
1.09m
14.9分
1.59m
10.4分
1.68m
17.9分
0.54m
御蔵島
  • <御蔵島港>
    CASE3で最大水位となり、局所的に標高9mまで津波が遡上する。また、長時間水面の挙動が続く。
御蔵島 18.3分
1.02m
11.0分
1.23m
6.8分
1.24m
18.8分
0.53m
八丈島
  • CASE3で最大水位。集落への浸水有り(八重根港、神湊港、洞輪沢漁港)
  • 入り組んだ地形から、6時間後まで長時間水面の挙動が続き、局所的に遡上が大きくなることも予測される。
    <八重根港>
    CASE3で、30分後に第1波(約3.5m)が到達し局所的に標高14mまで遡上する。
    <神湊港>
    CASE2で、1時間後に最大水位(約2m)となり局所的に標高9mまで遡上する。
    <洞輪沢港>
    CASE3で、90分後に最大水位(約2m)となり局所的に標高11mまで遡上する。
    <中之郷漁港>
    CASE3で、30分後に第1波(約2m)が到達し局所的に標高11mまで遡上する。
八重根 25.1分
0.95m
23.8分
3.26m
23.6分
3.44m
21.3分
0.49m
神湊 25.4分
1.04m
24.4分
1.98m
24.3分
1.85m
23.6分
0.50m
洞輪沢 30.5分
0.45m
29.7分
2.04m
29.6分
2.33m
25.1分
0.52m
中之郷 25.5分
0.34m
23.4分
1.70m
23.4分
1.72m
22.8分
0.33m
青ヶ島
  • <青ヶ島港>
    CASE3で最大水位となる。
青ヶ島 29.8分
0.24m
27.5分
2.43m
27.6分
2.44m
39.7分
0.18m

※新島、式根島、神津島、三宅島は東海地震防災対策強化地域に指定されています。

※八丈島は東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されています。

[島しょごとの地震津波状況]
地震名称 大島 新島 式根島 神津島 三宅島 八丈島 青ヶ島 父島
1498(明応7).9.20
明応地震(M8.6)
  津波2.6m 津波3.1m     津波4m
港で荷役中の1名水死
   
1605(慶長9).2.3
慶長地震(M7.9)
          津波10〜20m
谷ヶ里死者37人
   
1677(延宝5).11.4
延宝地震(M8.0)
          津波3〜4m
谷ヶ里まで波上る
津波3m
死者1人
漁船10余流出
 
1703(元禄16).12.31
元禄地震(M8.2)
津波10m
死者56人、家58船18流出(岡田)
死者1人       津波3m
医者1人
   
1707(宝永4).10.28
宝永地震(M8.4)
          津波4m    
1854(安政1).12.23
安政東海地震(M8.4)
津波3m             津波3〜4m
家屋15軒ほど流され、または床上浸水した。
1923(大正12).9.1
関東地震(M7.9)
岡田 津波12m             津波3尺(0.91m)
(周期30分で数回来襲)
1953(昭和28).11.26
房総沖(M7.9)
津波0.34m         津波1.5m    
1960(昭和35).5.23
チリ地震(M8.5)
岡田 津波1.0m         津波0.6m   津波2.3〜3.5m
1972(昭和47).12.4
八丈島東方沖(M7.2)
津波0.07m     津波0.27m 津波0.19m 津波0.42m    
1978(昭和53).1.14
伊豆大島近海(M7.0)
岡田 津波0.7m
泉津 津波0.1m
波浮沖 津波0.18m
      津波0.16m 津波0.12m    
1980(昭和55).6.29
伊豆半島東方沖(M6.7)
岡田 津波0.57m
泉津 津波0.10m
      津波0.16m 津波0.12m    

津波浸水予測調査報告書(小笠原諸島)

1調査の目的
「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」第3条第1項に基づき、平成15年12月、小笠原諸島(小笠原村)が、地震防災対策推進地域として指定されたことを踏まえ、津波浸水予測図を作成し、同諸島の津波対策の充実・強化に資する。
2想定した津波
国の中央防災会議の東南海・南海地震に関する専門調査会の想定を踏まえ、東南海・南海地震(本州〜四国沖)の同時発生による地震津波を想定。
地震の規模は、マグニチュード8.65
3小笠原諸島における津波の特徴
過去に到来した津波の発生から類推した特徴
  • 津波到達時間
    小笠原諸島は、本州から約1,000キロメートル離れており、東南海・南海地震による津波は、地震発生から約1時間半後に到達する。
  • 津波の高さと継続時間
    小笠原諸島周辺は、浅海域が広く、後から来る波が重なり合い、津波のエネルギーを抱え込むため、伊豆諸島よりも津波の高さが高く、継続時間も長くなる。
4シミュレーション結果の概要
  • 父島
    海岸への津波到達時間は、概ね90分。
    海岸での最大水位は、13.8メートル(二見港では7メートル以上、小港では9メートル以上の箇所もある。)。
  • 母島
    海岸への津波到達時間は、概ね90分。
    海岸での最大水位は、15.4メートル(沖港で5メートル以上の箇所もある。)。
5津波対策の留意点
  • 予防対策
    ハザードマップの作成と周知、「1時間で可能なこと」を視野に入れた避難訓練の実施、船舶を沖出する体制づくり、海岸沿い・河川沿いを避けるなど避難経路の見直し、1週間程度自給できる体制づくり、など
  • 観光客対策
    観光客に対する安全確保のための避難体制づくり、啓発、など
  • 応急・復旧対策
    津波到達までの間に応急復旧に必要な重機の高台への移動、硫黄島経由による緊急物資航空輸送体制づくり、など
[小笠原諸島(主に父島)での津波記録概要]
地震発生時
の年月日
地震(津波)
の名前
震源 地震
マグニチュード
M
津波規模
階級
m
父島における
津波高(m)
備考
概略位置 経度 緯度 深さ
(km)
1826/01 小笠原
地震津波
小笠原近海 不明         6 帆船1隻破船
1944/12/07 昭和東南海
地震津波
熊野灘 136.6 33.8 30 7.9 3 最高
潮位3

最高潮位は都司(2004)による

1960/05/24 チリ
地震 津波
チリ南部沖 -74.5 -39.5   8.5 4 3〜4 羽鳥(1985)による

※主として日本被害津波総覧第2版による
※羽鳥(1985):小笠原における津波の挙動
※都司(2004):小笠原津波資料 津波高が記録されているか、全振幅50cm以上の津波
※経度:+は東経、-は西経
※緯度:+は北緯、-は南緯

統一的な津波標識や津波ハザードマップ基本図

1統一的な津波標識の設定
島しょ地域で、統一的に使用する標識として、総務省消防庁「防災のための図記号に関する調査検討委員会」が決定した図記号を利用し、津波の危険地域を表示する「津波危険地域標識」と、津波からの避難の目標地点を表示する「津波避難目標地点標識」を作成しました。
島しょ地域の各町村では、これらの標識を利用し、津波に対する注意喚起や避難誘導に役立てていきます。

津波標識

(1)津波危険地域標識
(2)津波避難目標地点標識
津波危険地域標識のイラスト 津波避難目標地点標識のイラスト
  • 津波浸水区域に設置
  • 注意喚起、避難目標地点への誘導
  • 津波の被害が及ばない地点に設置
  • 避難の目標地点を明示
  • この目標地点よりも高台に避難することが望ましい
2津波ハザードマップ基本図の作成
この基本図を参考に各町村が津波ハザードマップを作成し、津波対策に活用していく予定です。
3津波対策チェックリストの作成
各町村の防災担当者が津波防災対策を進めるにあたっての項目別のチェックリストを作成しました。 【参考】新島村、神津島村及び三宅村は、東海地震に係る「地震防災対策強化地域」に指定され、また、八丈町及び小笠原村は、「東南海・南海地震防災対策推進地域」に指定されています。